文書プロセスのスタートガイド

プロジェクトの文書レビュー作業を効率的に行うために、文書プロセスをご活用ください。

優れたコメント管理ツールを備えた「文書プロセス」機能を使用して、複数のプロジェクト参加組織にわたる文書レビュー作業を効率的に行うことができます。

まず、レビュー分布表を使用してレビュープロセスを一括で設定・管理します。ルールベースのレビュー工程を設定することにより、文書のメタデータ(付随情報)に基づいて適切なレビューアに文書が送信されるようになります。そのため、複数分野にわたる文書を選択し、選択したすべての文書に対して一度の操作でレビュー作業を開始することができます。

文書プロセスでは、1つの文書を複数組織の関係者が何度もレビューすることができます。
レビューア(レビュー担当者)は、文書に課題(問題や指摘)をピン留めすることで、コメントやマークアップを追加できます。コメントは各レビューを経て蓄積され、別個の課題一覧画面で追跡、管理、エクスポートすることができます。

レビューアは、自分に割り当てられたすべてのステップを、検索可能で便利な1つの一覧画面で確認することができます。プロセス所有者は、専用画面ですべてのレビューの進捗状況を把握できます。

各レビューアには、レビュー納期までの所要日数がそれぞれ割り当てられ、すべてのレビュー参加者がスケジュール通りに進められるようになります。リード・レビューアは、各ステップでレビュー結果を割り当てることでプロセスを進めていきます。レビューが完了すると、課題への対応が割り当てられ、文書は文書保管箱で更新されるか、新たにレビュープロセスを開始して、さらに他の意見や見解を収集することができます。

役立つ情報・アドバイス

現在、文書プロセスはAconexのKSA1 と MEAインスタンスのプロジェクトでのみご利用可能です。皆さまからのフィードバックをもとに、今後も機能の改良・開発を進めてまいります。他のインスタンスでの提供については、後日あらためて発表いたします。通知を受け取るには、 リリースハイライトの配信にご登録 ください。

文書プロセスが選ばれる理由​

  • パワフルなコメント管理。レビュー担当者は、文書に関する 問題、質問、コメントを「課題」として提起することができます。課題は文書の各レビューを経て蓄積されていき、課題専用の一覧画面で追跡・管理されます。課題には、プロジェクト・フィールドを適用することができ、レビュー工程で具体的な指摘や提案を収集することができます。
  • より迅速なプロセス管理。レビュー分布表では、数クリックでレビュールールを作成し一括更新を実行できます。
  • ルールに基づく文書ルーティングでエラーを低減。1つの操作で複数分野にわたるレビュー作業を立ち上げることができます。文書は、各文書のメタデータ(付随情報)に基づいて自動的に各担当者に回付されます。
  • レビューの進捗を一目で確認。レビュー対象文書の進捗をすばやく確認し、後続レビューを簡単に立ち上げることができます。
  • 柔軟なレビュー結果。各レビューに対して最大20種類のレビュー結果を作成できます。
  • よりスマートな検索。 文書のメタデータとプロジェクト・フィールドがすべて検索可能なため、追跡やレポート作成も簡単に行えます。

誰が「文書プロセス」を使用できますか?

文書プロセスは、デフォルト設定ではすべてのプロジェクトで無効になっています。プロジェクト管理者が有効化すると、上部ナビゲーションメニューに「文書プロセス」が表示されます。 プロジェクトのすべての参加組織に表示されますが、実際レビュー工程を立ち上げられるのは、適切な権限を持つユーザーのみです。

文書プロセスの権限は、Aconexの他のエリアと同じ手順でユーザーの役割に付与 されます。注:文書をレビューするための権限は必要ありません。誰でもレビューアになることができます。

ユーザーの役割の許可設定:

  • 文書プロセスを始動: 文書プロセスのレビュー工程を立ち上げる。
  • 文書プロセス管理者: 組織の文書プロセスのレビュー工程をすべて管理。
  • 保存検索条件を共有:検索条件を組織やプロジェクトと共有。
  • 共有の保存検索条件を編集/削除:保存した検索条件を編集/削除。
  • レビュー分布表を作成/編集: レビュー分布表でレビュープロセス(ルール)を作成/編集。注:プロジェクト所有組織が、 レビュー分布表でレビュープロセスを設定します。さらに、他の組織にこの設定権限を付与することもできます。

文書プロセスメニューは誰に表示されますか?

文書プロセスは、デフォルト設定ではすべてのプロジェクトで無効になっています。プロジェクト管理者が有効化すると、上部ナビゲーションメニューに「文書プロセス」が表示されます。 プロジェクトのすべての参加組織に表示されますが、実際レビュー工程を立ち上げられるのは、適切な権限を持つユーザーのみです。

プルダウンメニューに表示されるオプション:

  • 自分に割り当てられたステップ: レビュー担当者はこの画面を使用して文書をレビューします。すべてのレビューの中で、どのステップに対応する必要があるかを確認します。コメントやマークアップの追加、および(リード・レビューアの場合)結果を提供します。詳細は、文書プロセスで文書をレビューをご参照ください。
  • 自分に割り当てられた課題: 発行元とその他の割当先は、ここから自分に割り当てられた課題を確認し、適宜返答します。 詳細は、文書プロセスの課題に返答 をご参照ください。
  • レビューステップ: 組織が関与するすべてのレビューにわたる全ステップを確認できます。
  • レビュー課題: 組織が関与するすべてのレビューにわたる全課題を確認できます。
  • 成果物: プロセス所有者は、ここで成果物を管理します。品質保証(レビュー段階に進めてもいいかどうかの確認)の結果を提供し、レビューアを追加し、ステップをスキップし、レビューを取消すなどします。詳細は、 文書プロセスでレビューを管理 をご参照ください。
  • レビュー分布表: プロジェクト所有組織は、レビュー分布表でプロジェクトのレビュープロセス/ルールを設定します。必要に応じて、他の組織にこの設定を許可することができます。詳細は、 文書プロセスのレビュールールを作成・管理 をご参照ください。

文書プロセスの役割

文書プロセスレビューにはさまざまな役割の人が関与します。各役割には、それぞれ担当する責任分野があります。

役割 責任
プロセス・イニシエータ

文書レビュープロセスを始動します。ユーザーの役割に「文書プロセスを始動」権限が付与されている必要があります。

プロセス所有者

レビュー分布表で設定され、特定のレビューを管理する責任が割り当てられます。この役割では、ステップのスキップ、レビューアの追加、レビューの取り消し、課題の割り当てが可能です。さらに、レビュープロセスを開始できるように(レビュー段階に進めるように)、QA結果を提供します。

プロセス管理者

所属組織が始動したすべてのレビューを管理します。この役割では、すべてのレビューに対してステップのスキップ、レビューアの追加、レビューの取り消し、課題の割り当てが可能です。ユーザーの役割に「文書プロセス管理者」権限が付与されている必要があります。

発行元 レビュー分布表で設定される文書の提供者です。デフォルト設定では、レビュー工程で指摘された課題は、発行元に割り当てられるようになっています。
レビューア レビュー分布表で設定され、文書レビュー作業が割り当てられます。課題(マークアップやコメントを含む)を追加できますが、ステップを完了するためのレビュー結果を追加することはできません。プロジェクトの誰でもレビューアになることができます。
リード・レビューア レビュー分布表で設定されレビューアと同じ役割を担いますが、レビュー結果を提供してステップを完了させることができます。

文書プロセスの仕組み

  1. プロセスのイニシエータが 文書レビュー工程を立ち上げます。
  2. 文書は、そのメタデータがレビュー分布表で設定されたルールと照合されてレビュー担当者に回付されます。これにより、レビュー対象物となる文書を反映した成果物が作成されます。
  3. プロセス所有者は文書を確認し、レビューを開始するために「QA通過(確認済み)」のQA結果を選択 します。
  4. レビューアは、完了すべきレビューがあるという通知を受け取ります。
  5. レビューアは、文書に課題をピン留め して、コメントやマークアップ、その他のフィードバックを提供します。
  6. リード・レビューアはレビュー結果(「注記付で承認済」など)を選択し、レビューを次の段階に進めます。
  7. レビュー期間中、プロセス所有者は、ステップをスキップしたりレビューアを追加して、進行を管理します 。
  8. レビュー完了後、課題は対応を求めて発行者に自動で割り当てられるか、プロセス所有者によって手動で割り当てられます。
  9. 課題は、 再割り当て されるか、返答が返されます。必要に応じて未解決のまま残すことができ、その場合は文書の次のレビュー工程までピン留めされたまま残ります。 
  10. 課題対応後、発行元/プロセス・イニシエータは、文書保管箱で文書を更新、または別のレビューを立ち上げてセカンドオピニオン(別の見解など)を収集することができます。
  11. プロセス所有者は、いったん成果物をクローズして、前のレビューで指摘された課題を含めずに同じ文書で新たにレビュー工程を立ち上げることができます。

初期設定

プロジェクトで文書プロセスを使用する前に、いくつか設定しておく必要があります。


ステップ 1: レビュー結果および課題のメタデータを設定

プロジェクトオーナー組織のプロジェクト管理者:

  • レビュー結果を設定。 リード・レビューアがレビューを次のステップに進めるために選択する、「承認済」や「否認」などの選択肢を設定します。
  • 課題のメタデータ(付随情報)を設定。レビューアから特定の情報を確実に収集するために、 プロジェクト・フィールドを課題タイプに割り当てます。
  • (オプション)別の組織にレビュー分布表のルールの作成・編集を許可します。( 分布表の設定で実行できます。) 


ステップ 2: 権限の付与

  • プロジェクトオーナー組織の組織の管理者は、プロジェクトのレビュールールを設定する組織のユーザーに「レビュー分布表の作成/編集」権限を付与します。注:別の組織にレビュー分布表の管理を許可している場合は、その組織の管理者もこの権限を対象組織内の適切なユーザーに付与する必要があります。
  • 各組織の「組織の管理者」は、レビューを始動して管理する必要のあるユーザーに適切な権限 を付与します。


ステップ 3: レビュー分布表でレビュールールを設定

役立つ情報・アドバイス

文書プロセスは、すべてのプロジェクトにおいてデフォルトで無効(使用不可)になっています。プロジェクト管理者は、 モジュール管理機能を使用して有効化することができます。

文書プロセスとワークフローの違いは?

ワークフローと文書プロセスは、どちらもプロジェクトの文書レビュー作業に使用することができます。両機能は別個の独立した機能として文書保管箱と統合されていますが、互いには連携していません。詳しくは、主な違いとそれぞれの利点についてご参照ください。

用語と解説

  • 文書プロセス:文書レビュー作業の管理と複数組織にわたるコメントをリアルタイムに追跡できるAconex内の機能/モジュール 。
  • 成果物: レビュープロセスにおける単一文書の総称。文書プロセス開始時に成果物がなければ作成され、成果物は未完成のまま保持され、各レビューごとに再発行されてコメント収集と課題調整が継続されます。 
  • 成果物(画面):成果物画面には、現在レビュー中の文書やレビューされた文書がすべて表示されます。ここでプロセス所有者/文書管理担当者が文書レビューの進行を監視し、円滑に進むように管理します。
  • レビュー結果:レビューステップに対する評価結果であり、リード・レビューアによってのみ適用できます。詳しくは、レビュー結果を設定をご参照ください。
  • 課題:レビューアとリード・レビューアが文書に対して提起し、コメント、マークアップ、フィードバックを収集するために使用されます。課題は発行元に割り当てられ、適宜返答、解決、再割り当てされます。課題にはプロジェクト・フィールドを追加することができ、指摘された課題についての詳細情報を収集するために役立ちます。各レビュー工程で文書に対する課題が蓄積されます。課題は未解決のままでも、次のレビュー工程を開始ことができます。業界では「課題」を「コメント」と呼ぶこともあり、この機能についての説明では、両者が同じ意味で使用される場合があります。
  • マークアップ: 文書レビュー過程で文書に追加される注釈であり、レビュー中に課題を指摘する際にレビューアとリード・レビューアによって追加されます。
  • レビュー分布表:どの文書を誰がレビューする必要があるのかを定義するルールを設定する場所です。ルールは、分布表から直接一括で作成・更新できます。または、ビジュアル・プロセス・ビルダーを使用することができます。以前ワークフローを使用したことがある場合は、ステップやレビューアを追加してワークフローテンプレートを作成するのと同じだと思ってください。
  • ルール: レビュールールは、レビュー分布表で設定されます。文書のメタデータに基づいて、どの文書を誰がレビューする必要があるのかを定義します。

よくある質問

  • ワークフローは停止されますか?いいえ。ワークフローと文書プロセスの両方ともプロジェクトで使用することができます。詳細は、文書プロセスとワークフローの違いについてご参照ください。
  • 文書プロセスとワークフローの両方とも使用することはできますか?はい。ただし、両方とも使用する場合は、それぞれをいつ使用するかについて明確なガイドラインを設けてください。詳細は、文書プロセスとワークフローの違いについてご参照ください。
  • 文書プロセスとワークフローを併用できますか?いいえ。ワークフローと文書プロセスは別個の独立した機能として文書保管箱と統合されていますが、互いには連携していません。
  • 文書プロセスをオン/オフにできますか?文書プロセスは プロジェクト管理者によって有効化/無効化することができます。プロジェクトで有効にした場合、社内のユーザーがレビューを立ち上げないように 許可設定をコントロール できます。
  • 使用許諾の必要は?文書プロセスは、別途ライセンスを必要とするものではありません。すべてのプロジェクトでご利用可能です。